Vol.176
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噴火警戒レベルとは?登山前に知っておくべき【火山】の基礎知識を分かりやすく解説

自然の雄大さを感じられる登山は、人気のレジャーのひとつ。世界有数の火山大国と言われる日本では、火山についての基本的な知識を持っておくことが登山をする上でとても大切です。そこで今回は、火山にまつわる知識や気象庁が発表する火山情報、噴火警戒レベルについて詳しく解説します。
日本には111山もの「活火山」が存在していた!
火山は以前まで、「活火山」「休火山」「死火山」の3つに分類されていました。現在は「休火山」「死火山」の分類は廃止され、最近1万年以内に噴火したことがあるか、現在活発な噴気活動がある火山をまとめて「活火山」と定義しています。
日本にある活火山の数は、現在111山に達します。中でも50の火山は、常時観測火山に指定されています。今後100年程度の中長期的な噴火の可能性を踏まえ、様々な観測施設を整備し、気象庁が地元自治体や大学、研究機関などと協力して24時間体制で常時観測・監視。火山活動の兆候をいち早く把握し、必要な警報や注意喚起を迅速に発信できる体制が整えられています。

注意が必要な噴火時の危険な現象
活火山に登山をする際は、噴火する可能性があることを意識しておくことも重要。万が一の時にも冷静に避難できるように、火山が噴火した際に起こる現象について事前に知っておきましょう。
まず、噴火時に特に危険なものが噴石や火砕流、雪が溶かされることで発生する融雪型火山泥流。発生から避難までの猶予がほとんどないため、生命に対する危険性が非常に高くなります。また、溶岩流や降灰なども避難時には注意しなければならない現象です。すぐに命の危険があるわけではありませんが、出来る限り急いで下山するようにしましょう。

噴火警報レベルで制限がないのは5段階中1のみ
火山の活動状況を知る上で参考になるのが、気象庁が定めた5段階の噴火警戒レベル。
噴火警戒レベルとは、火山活動の状況に応じて、警戒が必要な範囲と防災機関や住民等のとるべき防災対応を、5段階に区分して発表する指標のことです。常時観測火山である50火山のうち、49火山(令和4年3月現在)で運用中。 気象庁では、火山別に設定された噴火警戒レベルを解説したリーフレットを発行しています。

それでは、実際に富士山を例に噴火警戒レベルを見てみましょう。
●その他各火山の噴火警戒レベルについてはこちら(気象庁HP)


レベル1は「予報」で、活火山であることに留意とされているのみで、登山そのものに対する制限は特に設けられていません。
レベル2、3になると「警報」に引き上げられ、危険度が上昇。火口周辺規制や入山規制がおこなわれるなど、行動の制限も厳しくなります。
さらに、レベル4やレベル5は「特別警報」に該当。高齢者等避難や避難が発令され、登山者だけでなく火山周辺の住民の避難も必要になる危険な状況のため、常に最新の情報に注意を払うことが大切です。
噴火予報が出ている火山で噴火が発生した場合に、登山者たちが迅速に避難できるように気象庁が発表しているのが「噴火速報」。噴火したという事実のみを知らせるもので、火山名と噴火した時間のみという簡単な速報ですが、もしも発表された場合はすぐに身を守るための行動をとってください。
もしもの時に備えて
火山に関する正しい知識と最新の情報を把握しておくことは、安全な登山の第一歩。自然を楽しみながら安全に登山をするためにも、火山の基礎知識や噴火警戒レベルなどの様々な情報を理解しておきましょう。
執筆:SAIBOU PARK MAGAZINE編集部
監修:SAIBOU PARK/防災士
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