Vol.178

ゲリラ豪雨から身を守るには?都市型水害のリスクとおさえるべき3つの備え

最近、台風やゲリラ豪雨といった突然の大雨が増えてきました。そのたびに話題になるのが都市型水害
大雨のあとに道が川のようになったり、地下街や駅に水が流れ込んだり……そんな光景をテレビやSNSで見かけた方も多いのではないでしょうか。

コンクリートに囲まれた都市部こそ、水害のリスクは高まっています。今回は、ここだけは押さえてほしい!いざという時にあわてないための3つのポイントをご紹介します。

都市構造が生活圏特有の水害を引き起こす

都市型水害とは、コンクリートやアスファルトに覆われた街の構造が原因で、大雨の際に雨水が排水しきれずに起きる冠水・浸水被害のことです。

とくに都市部では、雨が地面に染み込まず、下水道や排水路に一気に流れ込む構造のため、短時間の集中豪雨で排水しきれずに水があふれる内水氾濫(ないすいはんらん)が起こりやすくなっています。
これとは別に、川の氾濫などで水が街に流れ込む外水氾濫(がいすいはんらん)があります。

被害額に限定して比較すると、東京都は、水害被害額のうち約7割が内水氾濫の被害です。一方、全国の被害額は、内水氾濫の占める割合は、全体の約3割ほど。 ※国土交通省 水害統計(平成21~30年の10年間の合計)

都市部のほうが住宅が多く密集している為、被害額と被害棟数はおのずと大きくなります

東京都都市整備局 東京都豪雨対策基本方針より

大雨の発生増加で高まる内水氾濫のリスク

大雨の発生で内水氾濫のリスクは高まります。近年、大雨の発生は増加しています。気象庁では、1時間に50ミリ以上~80ミリ以上の雨を「非常に激しい雨」と表現しています。

近年、より強度の強い雨ほど増加率が大きく、1980年頃と比較して、「おおむね2倍程度に頻度が増加してしている」と報告しています。今後も、気候変動の影響による降雨量の増加や、台風の強大化など風水害リスクは増加傾向と予測されています。

【1】ハザードマップと避難ルートを確認しておこう

まず大切なのは、自宅や通勤・通学ルートが水害リスクのある場所かどうかを知ること。駐車場のリスクも調べておくことをお勧めします。
お住まいの地域のハザードマップを見て、浸水しやすいエリアかを確認しましょう。また、避難場所や安全な移動ルートも事前にチェックしておくと安心です。
一番忘れないでほしいのは、無理に帰宅しない。危険な時は移動せず、とどまることも大切です。

マンションにお住まいの場合でも、例えば1階や地下・半地下に住んでいる方、地下駐車場・倉庫がある方は特に浸水の対策が必要です。

【2】備蓄と防災グッズで自分を守る

都市型水害では、浸水だけでなく停電や断水が同時に発生することもあります。
とくにマンションでは、エレベーターの停止やポンプの故障が発生し、高層階は、水が使えなくなることも考慮しなくてはいけません。

最低限そろえておきたい防災グッズ

ー飲料水・非常食(最低3日分)
ー懐中電灯・モバイルバッテリー
ー携帯トイレや簡易トイレ
ーウェットティッシュ・除菌グッズ
ー土のう・水のうなど止水グッズ

戸建てのかたは、玄関周りやベランダの排水口がゴミで詰まっていないかも、日頃からチェックしておきましょう。
これだけでも、内水氾濫のリスクを下げることができます。

【3】気象情報をチェックして、早めに行動

都市型水害は、突然やってくるのが一番の特徴です。

だからこそ、「なんとなく雨が降りそう」くらいの感覚ではなく、気象情報を意識してこまめに確認することが大切です。気象庁のキキクルを活用しましょう。

特に注意したいキーワード

大気の状態が不安定
線状降水帯
雷注意報

これらが出ていたら、外出を控えたり、地下への移動を避けたりする判断を早めにしましょう。

都市型水害が起きたときに取るべき行動

水害が発生したときに地下にいると、水圧で扉が開かなくなるなどの危険もあります。速やかに地上階へ、そして、できるだけ高い場所へ垂直避難してください。
さらに地上では、雨水や排水が地面にたまり、川や溝、フタの外れたマンホールなどの存在に気付けないケースに注意が必要です。

車を運転中の場合は、緊急車両の妨げになりにくい場所で停車するのが適切。無理に進まず、安全な場所に車を停めて、キーをつけたまま避難することが推奨されています。

【全国で事故が多発
水害時、周囲より低くなっているアンダーパスには歩行者も車も絶対に近づかないでください。


アンダーパスには「近づかない」が鉄則

日頃の意識が、自分と家族を守る

局地的な大雨は、日本のどこに住んでいても起こりうる自然災害です。
いつ起こるかわからないからこそ、常日頃からの備えが大切です。都市型水害のしくみを正しく理解し、今できることから備えを始めてみてください。

執筆:SAIBOU PARK MAGAZINE編集部
監修:SAIBOU PARK/防災士

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出典

国立研究開発法人  国立環境研究所/都市型水害について
東京都/豪雨対策基本方針(改定)

目次

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