Vol.150
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「あえての在宅避難」な時代だから備えたい。試してわかった、簡易トイレ使いこなし術
いざというとき「初めて使う」では困るから
災害後、家屋の被害が軽く済んだ場合には、自宅での避難生活がはじまります。とくに想定されている大規模震災では、被災者数に対して避難所が不足するだけでなく、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からも、可能な限りはあえて在宅避難を選択することが一般的なスタイルになるでしょう。食料品の備蓄だけでなく、水道管の破損や停電による断水に備えて、ご自宅には災害用簡易トイレ(携帯トイレ)を十分に備えておくことを強くおすすめします。
ご自宅の防災グッズに災害用の簡易トイレは用意されていますか? 水が使えない状況でも用を足すためのアイテムですが、「試しに使ってみる」ことのハードルが高いため、利用した経験がある方は多くないはず。そこで今回は、簡易トイレを実際に触ってみながら、その使用感をレビューしていきます。
いつものトイレ、が使えることの意味
薄く平たいパッケージを開けると、口の大きな黒いポリ袋(排便袋)と、小さなパッケージに入った白い粉状の薬剤が出てきます。むかしヨーグルトに入っていた砂糖を思い出しますが、これは強い消臭・抗菌効果がある薬剤(抗菌性凝固剤)です。お子さまが誤って口に入れないよう気をつけましょうね。
いつも使用している自宅のトイレで、便座ごと便器全体にに黒いポリ袋をかけます。便座ごと覆うのは、便座を介した感染症の感染などを防ぐ目的のため。このとき、便器には少量の水が溜まっている状態です。黒いポリ袋が濡れてしまうのが気になる場合は、ゴミ収集に使うポリ袋などを1枚、下に設置しておくとよいでしょう。
用意ができたら便座を下ろして腰掛け、設置した黒いポリ袋に用を足します。いつもは聞こえないガサガサという音こそ気になるものの、いつもの場所で普段通りに用が足せるので安心感があります。用を足したら、セットに入っている凝固剤をふりかけます。薬剤は水分に触れた瞬間、あっという間にプルプルのジェル状に固まっていきます(もしも大便のみの場合は、浸るぐらいの水等を注ぎ足してから薬剤をかけると固めやすいそう)。
あとは黒い袋を縛って、自治体の分別ルールに合わせてゴミとして捨てるだけ。しっかりと薬剤が消臭効果を発揮してくれて、さらに袋で密閉するので気になる臭いはシャットアウト。薬剤には抗菌効果もあるので、感染症対策の面でも安心感があります。
被災後は、不自由な避難生活や慣れない生活環境へのストレスから、便秘に悩まされる方がとても多くなります。普段から旅行先など環境が変わる場所に行くと便秘になってしまう、という方は特に注意が必要です。使い慣れた自宅のトイレで用を足せることは、スムーズな排泄を助け、避難生活の健康を支えるうえで大切なポイントになります。環境変化に影響を受けやすい方、お子さまや高齢者のいる家庭では、全員のトイレ事情にまで気を配った防災備蓄を整えておきたいものです。
汲み置きの水で無理に流すのはNG
災害による断水が起きているとき、お風呂などに汲み置きした水で、無理やりトイレの水を流すことはやめましょう。自宅からはうまく流れ出たように見えても、その先では水道管が損傷したり、下水処理施設が破損している場合も。便器から汚水が溢れてしまったり、集合住宅では他の家のトイレを逆流させてしまう恐れがあるためです。
下水インフラがダメージを受けるような大規模災害では、無理に水で流すのではなく、災害用の簡易トイレを使用しましょう。
まとめ:バッグに忍ばせたい15gの安心
簡易トイレは実際に試してみると、とても簡単に使えました。慣れるまでは緊張しそうですが、これならお子さんや高齢の方でも自分で使えそう。SAIBOU PARKの簡易トイレはとても薄いので、いつものバッグやリュックに忍ばせておきやすいサイズ。お出かけ先で、もしものことがあっても安心です。ひとつは持ち歩き用として常備しつつ、自宅には防災備蓄として十分な量を備えておきましょう。
使い捨て携帯トイレ 災害用トイレセット 1回分×5個セット SAIBOU PARKオリジナルデザイン 1,375円(税込)
執筆:SAIBOU PARK MAGAZINE編集部
監修:D.Sata/SAIBOU PARK/防災士
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