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Vol.67
防災士が厳選!非常持ち出し袋の、本当に必要な中身リストと詰め方のコツ
目次
備蓄とは別モノ
「非常持ち出し袋」は、すぐに避難しなければ命に関わるような危機が迫った場合に、自宅から持ち出すためのもの。一方で「備蓄」は、自宅にとどまる在宅避難を前提として、部屋の中に買い置いておくもの。この2つは別物として認識する必要があります。
非常持ち出し袋には軽量・コンパクト・少量など、持ち運びしやすいアイテムを選ぶようにしましょう。
※必要なもの一覧は記事の最後にまとめています。コピペして使える形式なので、家庭ごとにカスタマイズしてお使いください。
「もう戻れない」覚悟で使う
どんな状況で持ち出すかの想定は、あなたの住環境によって大きく変わります。天災による倒壊、浸水、土砂崩れ、火災など。いずれも家を離れたら最後、もうそこには戻れない可能性があることを認識してください。
避難生活の各場面をイメージ
あなたの避難生活は、どこでスタートするでしょうか。公民館や体育館などの避難所、ホテルなど宿泊施設、自宅の庭や車中泊、親戚や友人の家などが考えられます。
避難生活での暮らしは、どんな1日になるでしょうか。朝起きてから夜眠るまでの1日を、丁寧に追いながらイメージしましょう。季節ごとの対応も必要です。
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小分け収納を活用
持ち出すアイテムは小物ばかり。透明で口が閉じられるフリーザーバッグを使い、カテゴリーごとに分けた収納がおすすめです。中身が見えるので使うときに探しやすく、雨などに濡れても荷物が守られます。
重いものは上に詰める
荷物をリュックに詰めるときは、タオルなど軽いものが底のほう&体から遠くなるようパッキングしましょう。逆に水や缶詰など重いものは上のほう&体の近くに入れます。
リュックを支える肩と重いものの距離が近くなることで、下に引っ張られる感覚を和らげることができ、軽く感じられます。重い荷物を長時間背負って歩く、登山などの場面で重宝される荷造りのテクニックです。
入れたものは記録する
非常持ち出し袋には、かなりの品数を入れます。いざというとき、何が入っていたか確認する余裕はありません。「持ち出しアイテム一覧」を用意しましょう。できれば紙にプリントアウトして、リュックの一番上に入れておいて。スマホ用の専用アプリを使えば、更新しやすくスマートな管理が叶います。
かならず避難経路上に配置
非常持ち出し袋は、サッと手に取って家を飛び出すためのもの。かならず避難時に通る、玄関などの「避難経路」に置きます。押し入れや物置に入れないよう注意!
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手軽さ重視ならセット購入も◎
防災グッズをひとつずつ揃えるのは面倒……という方は、市販の防災セットを購入してベースにするのもアリ。防災用品のセレクトショップと災害の専門家が厳選した、防災グッズ24種類35品のセットがおすすめです。
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あなた専用のベストチョイスを
最後のリストは「ぜんぶ盛り」の状態。あなたが持ち出すべきものは、周辺環境や家族構成、年齢や性別や体質や体格によって変わります。あなたにとっての過不足を足し引きして、あなただけのベストチョイスを考えましょう。これは、市販の防災セットを購入した場合でも同じです。
以下では、カテゴリーごとの考え方を解説します。
避難時に使うもの
自宅から避難先までの移動をサポートするもの。街灯が壊れて真っ暗だったり、雨が降っていたり、雪道かもしれません。ヘルメットなどはリュックに入れず、近くに置いておけば十分です。
応急手当用の救急セット
災害発生後の3日間は人命救助が最優先されます。命に関わらないケガは自分で対応するしかありません。
必需品
あなたの生活に欠かすことができず、ほかでは調達しづらいもの。メガネや補聴器、持病の薬、入れ歯、サイズの合うオムツ、生理用品など。いまは感染症対策グッズも必須でしょう。
貴重品
避難生活を続け、生活を立て直すためのもの。大切な人の写真をプリントしておくと、捜索に役立ちます。重要書類は普段から1箇所に集めて保管しておき、いざという時まとめて持ち出すのも可能です。が、やはり非常時は一刻の猶予もないことを考えると、一式コピーを用意しておくことが望ましいでしょう。避難先で貴重品を身につけておくためのポーチなども忘れずに。現金は小銭や1000円札を多めに用意します。
情報収集ツール
避難生活に必要な情報を集めるためのもの。スマホが使えなくなる事態を想定して、大切な人の連絡先は紙のメモでも用意しておくことを推奨します。乾電池式のスマホ充電器や、携帯ラジオに使う有線イヤホンなども重要。
水と食料(最低限1日分)
避難先で支給される場合もありますが、自衛策として最低限の食料は持ち出します。とくにアレルギーがある方は、少し多めに用意できると安心。調理不要で軽量なものを中心に。
避難生活を支えるもの
睡眠や衛生面で役立つもの。避難所での睡眠対策(床の冷え・光・音)など、生活の質に直結するアイテムではありますが、あくまでも命に関わるものが優先。
もし空きスペースがあれば、汎用性の高いものから選びます。たとえばガムテープは、敷き物の固定や伝言メモの貼り付け、持ち物の記名、壊れた物の修繕、傷口の止血にまで使用できます。同様に薄手のストールも汎用性が高くおすすめ。
夏/冬に使うもの
季節限定で必要になるものは、夏用と冬用で分けて用意。衣替えの時期に入れ替える習慣にすることで、ムダなスペースを省き、定期的な中身の更新に役立ちます。
家族によって必要なもの
自分自身では用意ができない子どもや赤ちゃんや高齢者、ペットがそれぞれ必要とするもの。
まとめ:完成後も更新は必要
かんたんに入手できるものばかりですが、生活を支える幅広いアイテムを揃えるのは、正直なかなか面倒くさいもの。一気に揃えようとせず、まずは予算を決めたりカテゴリーを絞るなど、少しずつ用意していくのがおすすめです。
非常持ち出し袋が完成すると「これさえ持って逃げれば何とかなる」という自信と安心感が高まります。とはいえ油断は禁物、季節物の入れ替えや非常食の交換など、定期的な見直しを欠かさずに更新し続けていくことが大切です。
執筆・監修:D.Sata/SAIBOU PARK/防災士
コピペで使える!必要なものリスト
◆避難時に使うもの
□リュック(防水仕様だと安心)
□持ち出しアイテム一覧のプリント
□歩きやすいスニーカー
□ヘッドライト
□懐中電灯
□ホイッスル/防犯ブザー
□軍手・革手袋
□ヘルメット
□雨具(ポンチョ、レインコート)
□避難先を書いた紙のメモ
□紙のハザードマップ
□数歩先を叩く棒きれ/傘
◆応急手当用の救急セット
□消毒薬
□脱脂綿
□ガーゼ
□絆創膏
□包帯
□三角巾
□毛抜き
□万能ナイフ
◆必需品
□常備薬・持病薬・おくすり手帳
□生理用品
□メガネ
□コンタクトレンズ
□マスク
□体温計
□消毒ジェルなど
◆貴重品
□身に付けられる入れ物(サコッシュやポーチ)
□現金(小銭を多めに)
□大切な人のプリント写真(裏に名前・連絡先を書く)
□緊急連絡先
□もし余裕があれば持ち出したい貴重品の一覧(書類、宝石など)
◎重要書類コピー
□免許証
□マイナンバーカード
□健康保険証
□通帳の表紙
□クレジットカード券面
□パスポート
□加入保険の証書や契約書
□年金手帳
◆情報収集ツール
□スマホの充電ケーブル
□モバイルバッテリー(電池式が良い)
□乾電池
□携帯ラジオ(手回し発電機能があると◎)
□ラジオ用の有線イヤホン
□電源タップ
□ノート
□筆記用具
□大切な人たちの連絡先メモ
◆水と食料
□水
□非常食
◆避難生活を支えるもの
◎睡眠をサポートするもの
□フロアマット
□枕
□アイマスク
□耳栓
□アルミシート(羽織る、敷く、かける)
◎衛生面・健康をサポートするもの
□非常用トイレ
□トイレットペーパー(水に溶けるのでティッシュより◎)
□洗面具
□歯ブラシ
□口腔ケア用品
□ウエットシート
□ボディシート
□ビタミン剤
□基礎化粧品(オールインワンタイプ)
□タオル
◎食生活をサポートするもの
□水筒
□食器
◎快適な生活環境をサポートするもの
□布ガムテープ
□スリッパ(冷たい床対策)
□レジャーシート
□ビニール袋
□ゴミ袋
□薄手のストール/ブランケット
□着替え
□キャップ
□タオル
□給水袋
□ランタン
□本など(電気なしで時間を潰せるもの)
◆真夏もしくは真冬に使うもの
◎冬用
□カイロ
□保湿クリーム
□防寒具(厚手の靴下、ニット帽、手袋、ウインドブレーカー)
◎夏用
□アイスパック
□汗拭きシート
□塩タブレット
□虫除けスプレー
□日焼け止め
◆家族によって必要なもの
◎赤ちゃん
□母子健康手帳
□ミルク(液体タイプがベター)
□哺乳瓶・マグ
□ベビーフード
□ベビー用食器
□おしりふき
□おむつ/使用後のおむつ入れ
□ガーゼ(口腔内や体の清拭に)
□授乳ケープ
□抱っこ紐
□おもちゃ
◎高齢者
□老眼鏡
□入れ歯
□入れ歯洗浄シート(水が不要なもの)
□成人用おむつ
□折りたたみ杖
□補聴器
◎ペット
□フード
□食器
□療法食、薬
□ケージ※
□予備の首輪
□リード(伸びないもの)
□ペットシーツ
□排泄物の処理用具
□トイレ砂などトイレ用品
□ブラシ
□おもちゃ
□飼い主の連絡先、緊急連絡先
□ペットの写真
□ワクチン接種状況や健康状態、既往症の記録
□かかりつけの動物病院の連絡先
※ペットを隔離飼育できるケージ等の持ち込みが避難所の受け入れ条件になっている場合があります。避難所の運営について、お住まいの自治体がペットの受け入れをどのように行っているか、かならず事前に確認しましょう。
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