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Vol.81
在宅避難のための備蓄を!必要なものと準備マニュアル
「とりあえず避難所」はNG
大きな地震が起きたあとは「とりあえず避難所に逃げ込む」と思い込んでいませんか。避難所は、自宅に住むことができなくなった人のための一時的な生活場所。あなた自身や家族にケガがなく、ご自宅に危険(倒壊、火災、水害、土砂崩れ等)が迫っていない限りは、引き続きご自宅での生活を続けましょう。
在宅避難を前提に考えて
災害が発生したあと、避難所へ駆け込むのではなく、自宅で避難生活を送ることを「在宅避難」と呼びます。都市部の高層マンションや、災害リスクの少ない地域の築浅の家屋にお住まいの場合は、ご自宅が住めなくなってしまうような状況に陥る危険性は少ないと考えてよいでしょう。いまお住まいの慣れ親しんだ環境で、被災後に少しでも快適な在宅避難を送るための備えを見直しましょう。
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苦労が多い避難所ライフ
とくに人口が密集する都市部では、すべての人を避難所に収容することが難しい状況。避難所が開設されても、超過密もしくは入ることすらできない状況になることが想定されます。家を失った方や、独居が難しい高齢者が優先されることは想像に難くありません。
また大人数での集団生活は、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症リスクが高く、常時マスクの着用が義務付けられます。さらに食事時間や消灯時間など、集団で暮らすためのルールに従うことが求められるでしょう。
あなたが避難所で過ごすスペースのすぐ隣には、どんな方が暮らすか分かりません。プライバシーが保たれる自宅と違って、集団生活は環境変化の負担が大きく、心身ともに疲弊しがちです。
在宅避難に必要な防災の備え
もしものとき、自宅で過ごすのに十分な防災備蓄はありますか? 原則として、災害への備えは最低でも3日分を目安に。こちらの記事で詳しく説明していますが、発災後3日間から7日間は、外部からの助けを頼りにせず自力で生活を続ける必要があるのです。
以下は、在宅避難の鍵になる自宅の備えを紹介します。普段の生活では使わない懐中電灯や、乾電池などの消耗品はいつでも使える状態になっているか再確認を。
アイテム | 防災士のアドバイス |
---|---|
水 | 1日ひとり3リットル×人数分を用意。 保温できる水筒があれば、沸かしたお湯や温かい飲み物を長時間キープできる。 |
食料 | 長期保存できるものを。非常食セットを用意するのもおすすめ。 いつもの作り置きも、いざというときは非常食として役立つ。 |
トイレ用品 | 携帯トイレ、ゴミ袋、トイレットペーパー、おむつなど。 トイレの水が流せない状況を想定して。 |
調理器具 | カセットコンロ、ガスボンベ、食品用ラップ、アルミホイルなど。 食器にラップを巻くと洗い物が減らせる。 |
情報収集ツール | スマホ、予備バッテリー(電池式のものを用意しておくと停電時も安心)など。 容量の大きなポータブル電源は被災後の電源確保に最適。 参考:災害用の大容量ポータブル電源はJackery(ジャクリ) |
日用品 | 懐中電灯、ティッシュ、ポリ袋、軍手、水用ポリタンクなど。 冬はカイロ、夏はボディシートなど季節に合わせた想定を。 |
衛生用品 | 基礎化粧品、除菌シート、マスク、生理用品、水のいらないシャンプーなど。 |
嗜好品 | コーヒー、アロマオイル、好きな本など。 |
個人の必需品 | 予備の眼鏡、常備薬、赤ちゃんやペットが必要とするものなど。 |
その他 | 現金(小銭がおすすめ)、スニーカー(避難用)、ホウキとちりとり(地震でガラス等が割れた場合の掃除用) |
逃げ出すリュックも必ず用意
ご自宅に倒壊・火災・水害・土砂崩れなどの危険が迫っている場合には、一刻も早く家を離れる必要があります。そんな時にサッと手に取り逃げ出すための非常用持ち出し袋の用意もお忘れなく。最低限の暮らしを続け、大切な人と連絡を取るためにはどんな用意が必要なのか、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ:自宅を理想の避難所に
在宅避難に必要なもの、と聞くと用意が面倒くさそうですが、ほとんどは今も毎日お使いのアイテム。あくまで「自宅での生活を続けるもの」と考えると、少し気が楽になりませんか。いま身の回りにあるものを見直して、災害のあとも暮らしを守りましょう。
執筆・監修:D.Sata/SAIBOU PARK/防災士
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