Vol.166
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最新AR・VR技術でリアルに体験!進化する“次世代型”の防災訓練

防災訓練をよりリアルに体験!
防災訓練に参加しても毎回同じような内容で緊迫感が持てず、気づけば防災訓練から足が遠のいているという人は多いかもしれません。しかしテクノロジーの進化により、最近では災害をよりリアルに体験できるイベントも開催されています。防災訓練に活用されている技術とはどのようなものか、最先端の活用例を見ていきましょう。
AR技術で「自分のまちの災害」を疑似体験
近年注目されているのが、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を応用した防災体験です。
VR(Virtual Reality:仮想現実)は仮想空間での体験ですが、ARは現実世界に映像などを重ね合わせるもの。目の前の景色に災害の様子を合成し、「自分のまちで災害が起きたらどうなるか」をリアルに体感することができます。

実際に多くのイベントで使われているのが、神奈川歯科大学 防災科学技術研究所の板宮朋基教授が開発したアプリ「Disaster Scope」。スマホやタブレット、AR対応ゴーグルを通して、煙体験や消火体験などの災害疑似体験をすることが可能です。
災害の脅威をARで体験するメリット
AR技術を活用した疑似体験のメリットには、災害を「自分ごと」として捉え、適切な行動がとれるようになることが挙げられます。例えば、浸水体験では目の前に津波やがれきが押し寄せる様子を合成。水位の上昇により、今いる場所がどのくらい浸水するかがわかるため、事前に被害を最小限に抑える対策が可能です。
また火災時を想定した「AR煙体験」では、煙が広がって視界が悪化していく過程をシミュレーション。「火災で恐ろしいのは炎よりも煙」という事実を実感できるので、いざという時に適切な避難ができるようになるのではないでしょうか。
防災イベントでのAR・VR体験
実際に体験してみると、内容によっては「ちょっと怖い」と感じることもあるかもしれません。
2025年2月15日に駒沢オリンピック公園総合運動場(世田谷区駒沢公園)で開催された防災イベント「防災フェスタ in KOMAZAWA」では、ARやVR体験が行われましたが、子供でも安心して体験できる内容でした。

また、各自治体の消防局などでは、VR技術を搭載した「VR防災体験車」を導入する取り組みも進んでいます。360度の立体映像に加え、揺れや水しぶき、熱気などの演出を組み合わせることで、地震・火災・風水害をよりリアルに再現。
体験車が地域の防災訓練や学校などに出向くことで、多くの人が新しい防災体験を得られるようになりました。子供も大人も参加できるのが魅力ですね。
まとめ
ARやVRを活用した訓練は、座学や机上訓練では得られない学びが盛りだくさんあります。緊張感がなくなりがちな防災訓練も、最新技術で体験することで「自分ごと」として捉えるきっかけになります。
各地の防災イベントには今回紹介したアプリやゴーグル、VR防災体験車が登場することもあるので、ぜひチェックしてみてください。防災の大切さを肌で体験し、「もしも」への備えをより確かなものにしていきましょう。
執筆:SAIBOU PARK MAGAZINE 編集部
監修:SAIBOU PARK
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