Vol.154
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命を守る行動とは?線状降水帯や大雨特別警報の対処法
「線状降水帯」や「顕著な大雨に関する情報」、「大雨特別警報」「緊急安全確保」など、ゾッとするような警告を見かける機会が増えています。いま一度その意味を整理して、もしものとき、どんな行動を取ればいいか解説していきます。
警戒レベル4で全員避難
政府は大雨などによる災害の危険度を警戒レベル1からレベル5に分類しています。多くの場合はまず気象庁から防災気象情報が発表され、それを受けた自治体が警戒レベルに合わせた避難情報を発表します。いずれもウェブサイトやSNS、テレビやラジオで発信されます。
「警戒レベル3(高齢者等避難)」が発令されたら、高齢者や障害者、乳幼児がいる家庭は避難を始めましょう。河川や崖の近くに住んでいる人も避難の対象です。ただし警戒レベル3以下でも、もし近隣の様子を不安に感じる状況であれば、迷わずに避難を開始して。
「警戒レベル4(避難指示)」が出されたら、すぐに危険な場所から全員が避難します。「警戒レベル5(緊急安全確保)」は、すでに災害が起きている可能性が極めて高い状態です。すでに安全な避難ができず、命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保してください。
用語の意味を再チェック
「線状降水帯」は同じような場所に次々と積乱雲が発達し続け、非常に激しい雨や猛烈な雨をもたらす気象現象です。急激に状況を悪化させ災害を引き起こすため、線状降水帯への警戒として気象庁は「顕著な大雨に関する気象情報」を出します。これは自治体が発表する警戒レベル4(避難指示)相当以上の状況で発表されます。
一方で気象庁から発表される「大雨特別警報」は、避難指示に相当する気象状況の次元をはるかに超えるような現象をターゲットに発せられます。発表時には災害がすでに発生している可能性が極めて高く、自治体が発表する警戒レベル5(緊急安全確保)に相当します。
指示を待たないで!
政府の方針としては【住民は「自らの命は自らが守る」意識を持ち、自らの判断で避難行動をとる】ということになっています。
たとえ避難指示などが出されていなくても、キキクルや河川の水位情報などをチェックして危険を感じたら、自ら避難の判断を。あらかじめ指定された避難場所に向かうことにこだわらず、川や崖から少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上層階に避難するなど、冷静に状況を見極めながら最善の安全確保行動をとりましょう。
命を守る行動とは
「警戒レベル5(緊急安全確保)」は、すでに安全な避難が難しい状況です。
逃げ遅れている場合は垂直避難に切り替えます。自宅の上階や近隣の頑丈な建物の上階(室内でも崖や斜面から一番遠い部分に)に逃げるなど、少しでも身の安全を確保できる、近くの高い場所へ避難します。
ただし、土石流などの危険性が高い「土砂災害警戒区域」または河川の近くで「家屋倒壊等氾濫想定区域」に指定されている場所では、発災時に家ごと飲み込まれるリスクがあります。危険区域の外へ退避するか、近くの鉄筋コンクリートの建物など頑丈な建物への移動が望ましいでしょう(家から出るのはすでに危険な状態。細心の注意を払ってください)。
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まとめ:自主的な早期避難を徹底して
気象庁や自治体が災害の状況を把握するのには、時間がかかる場合があります。避難レベルに関わらず、不安を感じた時点で自主的に早めの避難を。「避難したのに何も起こらなかった」のであれば、それは立派な避難訓練となります。
きっと自分は大丈夫だろう、は非常に危険。未曾有の大雨は、氾濫したことのない河川で洪水を起こし、崩れたことのない崖で土砂災害を起こします。自宅に限っては平気と油断せず、日頃から避難場所を確認したり、避難ルートを歩いてみるなど、備えを整えておきましょう。
執筆・監修:D.Sata/SAIBOU PARK/防災士
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