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Vol.59
何から始める?コロナ時代の防災入門
備えの鍵は「カスタマイズ」
防災の第一歩は、何かを買うことではありません。いま自分が災害に巻き込まれたら、何に困るのかを想像することです。トイレや飲食物の確保は誰もが対策すべき課題ですが、住んでいる地域や家族構成、生活パターンによって「目指すべき防災の姿」は変わります。あなたの防災は、あなたにしか備えられません。
新型コロナウイルスの流行が収まらず社会不安がつづく現在では、コロナ時代であることを意識した備えが正解。「とにかく避難所へ」ではなく「できれば在宅避難で」というスタンスを、改めて認識することをおすすめします。
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在宅避難とは
明日起こるかもしれない首都直下地震や南海トラフ地震。災害が発生したあと、避難所へ駆け込むのではなく、自宅で避難生活を送ることを「在宅避難」と呼びます。あなた自身や家族にケガがなく、ご自宅に危険(倒壊、火災、水害、土砂崩れ等)が迫っていないことが条件です。
避難所=快適ではない
地域の避難所にはスペースの限界があり、すべての住民を収容することは不可能です。とくに集合住宅が並ぶような都市部では、避難所が超満員もしくは入ることすらできない状況になることが想定されます。
大人数での集団生活は、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症リスクが高く、常時マスクの着用が義務付けられます。さらに食事時間や消灯時間など、集団で暮らすためのルールに従うことも求められるでしょう。
あなたが避難所で過ごすスペースのすぐ隣には、どんな方が暮らすか分かりません。プライバシーが保たれる自宅と違って、集団生活は環境変化の負担が大きく、心身ともに疲弊しがちです。
チェックしたい家の備え
もしものとき、自宅で過ごすのに十分な防災備蓄はありますか? 在宅避難の鍵になる、自宅の備えを紹介します。いつもの生活では使わないものや、ストックが少ない消耗品はとくに注意が必要です。
アイテム | 防災士のワンポイントアドバイス |
---|---|
水 | 1日ひとり3リットルが目安。保温できる水筒があれば、 沸かしたお湯や温かい飲み物を長時間キープできる。 |
食料 | 長期保存できるものを。非常食セットを用意するのもおすすめ。 いつもの作り置きも、いざというときは非常食として役立つ。 |
トイレ用品 | 携帯トイレ、ゴミ袋、トイレットペーパー、おむつなど。 トイレの水が流せない状況を想定して。 |
調理器具 | カセットコンロ、ガスボンベ、食品用ラップ、アルミホイルなど。 食器にラップを巻くと洗い物が減らせる。 |
情報収集ツール | スマホ、予備バッテリー (電池式のものを用意しておくと停電時も安心)など。 |
日用品 | 懐中電灯、ティッシュ、ポリ袋、軍手、水用ポリタンクなど。 冬はカイロ、夏はボディシートなど季節に合わせた想定を。 |
衛生用品 | 基礎化粧品、除菌シート、マスク、 生理用品、水のいらないシャンプーなど。 |
嗜好品 | コーヒー、アロマオイル、好きな本など。 |
個人の必需品 | 予備の眼鏡、常備薬、 赤ちゃんやペットが必要とするものなど。 |
その他 | 現金(小銭がおすすめ)、スニーカー(避難用)、 ホウキとちりとり(地震でガラス等が割れた場合の掃除用) |
まとめ:まずは想像してみること
在宅避難に必要なもの、と聞くと用意が面倒くさそうですが、ほとんどは今も毎日お使いのアイテム。あくまで「自宅での生活を続けるもの」と考えると、少し気が楽になりませんか。いま身の回りにあるものを見直して、災害のあとも暮らしを守りましょう。
何から始めていいか迷う方は、「1時間後に、もし大地震が来たら」という想像をするだけで構いません。倒れてくる家具はないか、落ちて割れて通路を塞ぐガラスはないか、今ある水で何日ぐらい生活できるか。発災後の、あなたの暮らしをシミュレーションをすることこそが、もっとも大切な防災なのです。
執筆・SAIBOU PARK MAGAZINE編集部
監修:D.Sata/SAIBOU PARK/防災士
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