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Vol.122
首都直下地震はいつ起こる?最新確率と被害想定と生き残る方法は
目次
発生確率は30年で70%
首都直下地震とは東京都、茨城県、千葉県、埼玉県、神奈川県、山梨県を含む南関東地域のどこかを震源として起こるマグニチュード7クラスの大規模な直下型地震(沖合の海底ではなく内陸で起こるもの)のこと。
東京都が発表した最新の被害想定によると、マグニチュード7クラスの首都直下地震の発生確率は今後30年間で70%。どこが震源地になるかによって複数の状況を想定していますが、いずれのパターンでも建物の被害・火災が多発することが予想されています。
玄関で頭と首をガード
オフィスや自宅にいる時間が長い方は、地震発生時に屋内にいる場合を想定しましょう。あらかじめ、倒れてきたり落ちてくる物が少ない「安全地帯」をチェック。頑丈なテーブルの下、もしくは危険度が低く避難経路でもある玄関がおすすめです。
緊急地震速報を聞いたら、サッと安全地帯に移動を。玄関であればドアが閉まらないよう開けっぱなしの状態にすることで、家に閉じ込められるのを防ぎましょう。すぐに頭を低く下げてしゃがみ、体を小さく丸めてください。命に関わる負傷を防ぐため、手や周囲にあるもので頭と首をガードします。
安全な場所に留まる勇気
地震発生時に屋外にいた場合は、落下物に警戒を。看板や外壁、ガラスが落下してくるので、よく周囲を確認しながら頭部をバッグなどで守ります。ビルから離れるか、頑丈な建物の中に逃げ込みましょう。ただし群衆雪崩や将棋倒しといった群衆事故のリスクが高まるため、繁華街の狭い通路や歩道橋、ターミナル駅などは避けるべきです。
すぐに帰ったり、誰かを迎えに行こうと移動するのはNG。帰宅困難者として想定される450万人が動けば、群衆事故の原因になるだけでなく、道路を渋滞させることで消防車や救急車など緊急車両の通行を妨げてしまうからです。発災後の混乱が落ち着くまで、近くの安全な場所に身を寄せて公共交通機関が回復するまで滞在しましょう。
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だれもが家を捨てて逃げる準備を
自宅で揺れの次に迫る危険は「火災」です。道路状況が悪化するなか、同時多発的に火災が起こることで消防隊・消防団が現場に到達できない、火災件数が多く対応しきれないという状況に陥るからです。平時なら問題なく消火できるボヤ(小火)を原因とする、大規模な火災があちこちで起こるでしょう。自室から出火せずとも、近隣から延焼したり、大量の煙が室内に入ってくることが想定されます。
さらに海抜の低い地域、沿岸・河川沿いの地域では、高潮・津波が予想されます。火災と水害の危険性を考えると、どんな家に住んでいる方も、すべての家庭で「家を捨てて逃げる準備」を用意することを強く推奨します。
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「とりあえず避難所」はNG
例えば世田谷区民は約92万人ですが、区内の避難所は95カ所。1避難所あたりの住民は約1万人という計算になり、どうやっても全員が避難するのは不可能です。地震によって避難所の天井が崩落したりガラスが破損すれば、さらに収容人数は下がり、ますます避難所は厳しい環境になることが予想されます。
基本的に避難所では十分なスペースが確保できず、感染症リスクが高まり、集団生活を強いられることを思えば、在宅避難を原則として考えるべきでしょう(安全が確保できる場合)。被災していない親族・友人の家や、ホテルなどの宿泊施設を頼る選択肢も考えられます。
物資の枯渇に備えて
さらに地震発生から1週間までに、避難所に避難している人などへの必要物資は最大で食料は約4,700万食、飲料水は約6,800万リットル、毛布は約400万枚が必要になると見積もられています。ただし発災後は道路交通網の麻痺や停電によって、物資と情報の行き来が大幅に制限されます。混沌とした状況で、これだけの物資を行政が用意してスムーズに被災者の手元に届けることは難しいでしょう。
こういった具体的な予測からも、公的な支援を頼りにするのではなく、自宅で防災備蓄を進めておくことが最大の自衛策になることは間違いありません。
備蓄はトイレと水から
在宅避難への準備として、どんなに収納スペースや予算がなくても、非常用トイレと水だけは十分に備蓄しましょう。そこから、最低限3日分の食料や生活の質を担保する防災グッズを集めてください。
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家具固定は複数グッズを併用
室内の被災で最も恐れるべきは家具の転倒です。過去の震災では重い机が滑るように移動したり、冷蔵庫が飛ぶように動いています。
もし家具をネジなどで壁や柱に固定できない場合は、耐震ジェル・ストッパー・突っ張り棒などの耐震用アイテムを複数種類、併用することを推奨しています(東京都のHPでも解説)。また就寝中の自分に倒れ込んだり、倒れたとき避難経路を塞ぐ配置になっていないことを確認しましょう。
まとめ:「震災前」は今だけ
首都直下地震は、あす発生しても不思議ではありません。穏やかな首都圏は、一瞬にして被災地に変わります。生き残ることができるか、どれだけ生活の質を落とさずに避難生活が送れるか、しなやかに復興できるか。それらはすべて「震災前」の今、どれだけ備えるかにかかっています。今すぐに、行動に移してください。
執筆・監修:D.Sata/SAIBOU PARK/防災士
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