Vol.185
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大雨の季節は要注意!「地すべり」はなぜ起きるのか詳しく解説

土砂災害のひとつでもある「地すべり」。仕組みや前兆について詳しく知っておくことで、地すべりの発生時も安全に身を守ることができます。住んでいる地域が「土砂災害警戒区域」なのかどうかも確認しながら、地すべりについての知識を深めましょう。
「地すべり」を含む土砂災害は身近に潜んでいる
そもそも地すべりとは、地下水や重力などの影響によって斜面の上にある土や木、建物が斜面下方に移動する現象。一旦動き出したら停止することは困難で、完全に下方に進むまで手のつけようがなく、あっという間に周囲を巻き込みながら滑り落ちていきます。大量の土砂が一気に動くため、被害は甚大。滑り落ちた土砂が川をせき止めて氾濫させてしまったり、土石流を発生させるなどの被害も引き起こします。
令和7年3月末に国土交通省が公表した、地すべりを含む、土砂災害の可能性が高い区域(土砂災害警戒区域等)は日本全国で約70万区域。豪雨・地震などが起こると地すべりも起きやすくなるため、どのような場所でも発生する可能性はあり、「何県だから安心」ということはほとんどありません。日本国内であれば、どの都道府県でも毎年土砂災害は発生しています。
地すべり発生前には「予兆」がある
地すべりは、突然起こるというよりもゆっくりと見えない地中で進行。地面にひび割れや陥没が起きる、池や沼の水流が急に変化する、井戸水や湧き水が濁るといった変化も実は地すべり発生前のサインです。
大雨や雪解け、地震の後も油断はできず、このようなサインを見かけたときには市町村役場に連絡し、避難を考える必要があります。

大雨は「後(あと)」も油断禁物!
全国どこでも発生する恐れのある地すべりですが、まずは自分が住んでいる区域や周辺地域が「土砂災害警戒区域」に指定されていないかをハザードマップで確認しましょう。ハザードマップには避難場所も掲載されています。土砂災害警戒区域を通らずに避難場所に向かえるルートがないかを確認しておきましょう。
もし、住んでいる区域が「土砂災害警戒区域」に指定されているのであれば、大雨後は気象庁と各地域で発表される「土砂災害警戒情報」のチェックが必要です。「土砂災害警戒情報」などは、危険度レベルの色で確認を習慣づけましょう。遅くとも危険を表す「紫」が出現した時点で避難を開始し、安全な場所へ移動することが重要です。

土砂災害は、さまざまな予兆があります。住んでいる地域の危険度を理解して予兆を知っておくことで、自分や大切な家族の命を守りましょう。
執筆:SAIBOU PARK MAGAZINE編集部
監修:SAIBOU PARK/防災士
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