Vol.150
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避難所と避難場所の違いは?あってよかった持ち物と避難のポイント
目次
「避難場所」と「避難所」の違い
災害対策基本法では、居住者等が災害から命を守るために緊急的に避難する施設または場所のことを「指定緊急避難場所」、避難した居住者等が災害の危険がなくなるまで一定期間滞在し、または災害により自宅へ戻れなくなった居住者等が一時的に滞在する施設のことを「指定避難所」と明確に区別して定義しています。(災害対策基本法 第四章 第二節「指定緊急避難場所及び指定避難所の指定等」)
指定緊急避難場所とは
指定緊急避難場所(以下、「避難場所」)は、家屋の倒壊や大規模火災など、自宅が危険になったときに近隣の避難者が一時的に集合して様子をみる場所です。集合した人々の安全が確保されるスペースを有する身近な公園、緑地、学校のグラウンド、神社・仏閣の境内、団地の広場などから、町会・自治会が事前に指定しています。
自治体によっては、一時避難場所や一時集合所、一時集合場所、広域避難場所や津波タワーなどと呼ぶことも。いずれにしても「身を守るために緊急的に逃げる場所」であると認識しましょう。
この「避難場所」は、自然災害の種類ごと(※)に市町村長が指定することになっています。たとえば地震のときと、洪水のときでは避難先が別の所に指定されている場合があるのです。お住まいの地域に、どんな災害リスクがあるかをハザードマップを使って確認し、想定される災害ごとの「避難場所」を平時からチェックしておくことが欠かせません。
※洪水、津波、崖崩れ、地震、大規模火災、火山の噴火など
指定避難所とは
指定避難所(以下、「避難所」)は、避難した人を災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在させたり、災害により家に戻れなくなった人を一時的に滞在させることを目的とした施設です。
自治体によっては、緊急避難所や第一次避難所などと呼ぶことも。いずれにしても「身を守ったあと、自宅が被害にあった人が一時的に生活する場所」であると認識しましょう。
「避難所」のうち、福祉避難所と呼ばれる場が設けられることもあります。福祉避難所とは、自宅や避難所などでの生活に支障をきたすため、特別な配慮を必要とする要配慮者(高齢者、障害者、乳幼児など)を一時的に受け入れ、保護するための施設です。利用するためには、指定の施設に「受け入れ対象者」として登録されていることが条件となります。
「避難場所」と「避難所」は兼ねることも
災害対策基本法では「避難場所」と「避難所」は相互に兼ねて指定することを可能としています。ご自宅や職場の付近をハザードマップで調べてみて、もしも両者を兼ねた施設があれば、災害時にはそこを目指しましょう。
一般的に「避難場所」には、体育館や公民館といった施設に限らず、高台にある公園や広場といったオープンスペースや駐車場、グラウンドなどを指定することができます。ただし、こういった場所は発災後に一定期間滞在する場所としては適切ではないことも。その場合は、「避難場所」とは別に設けられた「避難所」に移動せざるを得ないでしょう。
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「避難所」は誰でも使える?
前提として自治体によって若干の差異はありますが、避難所生活は住民が主体的に行い、市町村は運営をバックアップできる体勢を確立することが求められています。(内閣府の避難所運営ガイドラインより)
「避難所」は基本的に住所を問わず、誰でも利用することができます。ただし旅行者が利用する場合には、場面によっては地元住民が優先されることも想定して。先述の通り、旅行者だとしても地域コミュニティの場を利用する限りは運営への主体的な参加が求められます。
都市部では収容できない可能性大
「避難所」で受け入れられる人数には限界があり、スペースや備蓄が限られることから、誰もが快適に感じる環境とはなりません。十分なプライバシーが確保できなかったり、環境の変化などによって体調を崩す人もいます。
とくに都市部では、収容可能人数に対して圧倒的に住民の数が多いため、かなり厳しい状況になることが想定されています。また近年は、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症拡大を防ぐために、受け入れ人数をさらに制限する必要があります。
「避難所」に行くことだけが避難ではありません。自宅での生活を続ける在宅避難、親戚や友人の家に滞在する縁故避難、車中泊などの自主避難が選択できるよう、日頃からの備えを整えておきましょう。
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持ち物は「非常持ち出し袋」
もしも台風の接近や、突然の地震などで避難所に行くことになったら。普段から用意している防災用の「非常持ち出し袋」を持っていきましょう。中身については、下記の記事をご参照ください。なお、大雨の中で避難を開始する場合などは雨対策のグッズも必須です(さらに下記の記事参照)。
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まとめ:事前リサーチが生死を分ける
洪水が起きたらどこに逃げるのか、火災が起きたらどこに逃げるのか、地域の「避難所」にはどれぐらいの人数が収容できるのか。とっさに正しい行動が起こせるよう、災害が起きる前に調べておく必要があります。家族や大切な人と、逃げるルートやスマホが使えなくなった場合の連絡方法を事前に共有しておくことも欠かせません。
執筆・監修:D.Sata/SAIBOU PARK/防災士
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出典
内閣府/福祉避難所の確保・運営ガイドラインの改定(令和3年5月)
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/r3_guideline.html
内閣府/避難所運営ガイドライン(令和4年4月改定)/内閣府
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/2204hinanjo_guideline.pdf
デジタル庁/e-Gov「災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)」
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