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【最新】直下地震は来るのか?発生確率70%のリスクと今できる備え

日本の中枢機能が集中する首都圏。東京を含む南関東地域は、特に地震が多い地域として知られており、その直下で大規模な地震が発生すれば、地域だけでなく、全国に広く影響が及ぶ可能性があります。
政府の調査によると、今後30年以内にマグニチュード7程度の首都直下型地震が発生する確率は約70%とされています。そもそも「直下型地震」とは一体どのようなものなのか。今回はその特徴やリスクと私たちができる備えについてまとめました。
首都直下地震とは|特徴とリスク
私たちが暮らす首都圏の地下には、地震を引き起こす活断層が数多く存在しています。これらが引き起こす「直下型地震」は、震源が非常に浅く、都市部の真下で発生するため、前触れなく激しい揺れに襲われるのが特徴です。
これに対し、東日本大震災などのような「海溝型地震」は、震源が海底にあり、津波の被害が広範囲に及ぶ傾向があります。
直下型地震は発生のタイミングが読みにくく、建物の倒壊や火災、交通網の麻痺などが一気に発生するため、被害が都市機能全体に及ぶ深刻なリスクを持っています。

発生確率は「30年以内に70%」
政府の地震調査研究推進本部は、2025年1月時点で、今後30年以内にマグニチュード7程度の首都直下地震が発生する確率を約70%としています。この数字は、日常的なリスクと比べても非常に高く、私たちが生きている間に直面する可能性が高い災害と言えます。
この「70%」という数字は、過去の地震発生データを統計的に分析した結果であり、地震の「予知」ではありません。現在の科学では、地震の正確な発生時期や場所、規模を特定することはできないのが現実です。大切なのは地震がいつ起きる?ではなく、いつ起きてもいいように万全の準備を用意しておく、ということです。
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想定される規模と被害は?
内閣府の中央防災会議は、2013年に「首都直下地震の被害想定と対策に関する最終報告」を発表。2022年、東京都防災会議は10年ぶりに「東京都の新たな被害想定」を公開しました。
首都直下型地震の想定規模はマグニチュード7クラス。震度は最大で震度7に達するとされ、広範囲で震度6強〜6弱の非常に強い揺れが予想されています。
▼東京都の最新被害想定(2022年)
死者数 :最大 約6,100人
負傷者 :最大 約93,000人
避難者 :最大 約2,990,000人
帰宅困難者:最大 約4,530,000人
建物被害 :最大 約194,000棟
これは、耐震・耐火建物の普及により10年前の想定より減少していますが、それでも甚大な被害が見込まれています。
▼内閣府の広域被害想定(2013年)
死者数 :最大 約23,000人
建物被害 :最大 約610,000棟
また、経済被害は最大で約95兆円とされ、交通・物流・医療・行政などの機能が長期間にわたって麻痺する恐れもあります。
さらに、東京湾での津波高は「1m以下」と見込まれていますが、震源や地形によっては局所的な津波被害も無視できません。
絶対に抑えるべき備え4選
被害の規模に圧倒されそうになりますが、「備える」ことで減災につなげることが最も重要なこと。以下のポイントを今一度確認しましょう。

◆家の耐震化・家具の固定
揺れによる建物の倒壊や家具の転倒は、命に関わる大きなリスクです。耐震補強や家具の固定を徹底しましょう。「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」空間を。
◆水・食料・トイレなどの備蓄(最低3日、推奨1週間)
インフラの復旧までには時間がかかる可能性が高く、電気・ガス・水道がすぐには戻らない前提で備えておくことが重要です。在宅避難ができるよう、水と非常用トイレは必ず準備してください。
◆火災対策と早めの避難
首都直下地震では、地震そのものよりもその後の火災による被害が深刻とされています。火を使っていたらすぐに消す。初期消火が難しい場合はすぐ避難する判断も大切です。「火を見たらすぐ避難」の意識を。
◆交通マヒや通勤困難への備え
鉄道や道路の寸断、帰宅困難者の発生は確実と言っていいでしょう。安全な場所に留まることが最優先です。職場での一時滞在や家族との安否確認方法も考えておくと安心です。
具体的な行動ポイントはこちら:
首都直下地震はいつ起こる?最新確率と被害想定と生き残る方法は

「備えていてよかった」と言えるように
首都直下地震は、決して「もしも」ではなく、いつか必ず起きるとされる災害です。
私たち一人ひとりが正しい知識を持ち、日頃からの備えを進めておくことで、その被害は確実に減らすことができます。自分や家族、大切な人を守るために、備えるという選択を積極的にとっていきましょう。
「地震は予知できない」からこそ、「備えることが最大の防御」になるのです。
執筆:SAIBOU PARK MAGAZINE編集部
監修:SAIBOU PARK/防災士
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