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年間９万人以上が熱中症で救急搬送

熱中症は、体に熱が溜まり体温が上がりすぎることで起こります。具体的には直射日光や気温、運動で上昇する体温の熱量が、汗をかくなどして体から逃がす熱の量を上回った場合です。

総務省によると、熱中症で救急搬送される患者数は年間約９万人。熱中症による救急搬送は７月から８月に集中していますが、とくに7月末から8月の初旬は他の時期とは比べものになりません。

帽子よりもダンゼン日傘

環境省の実験では、人工太陽のもとで歩行運動を行った３パターンの被験者をサーモグラフィで撮影しました。左から「つば付き帽子」「通常の日傘」「遮熱機能のある日傘」を利用しています。

帽子では頭部や肩に熱が溜まってしまうのに対し、通常の日傘は上半身の蓄熱を防ぎ、遮熱機能のある日傘は太陽から降り注ぐ熱をほぼ全て日傘が受け止めきっています。

なお実験後の心拍数は、帽子のみの場合に比べ、通常日傘で18.7％、遮熱日傘で 22.3％減少することが確認されています。さらに発汗量（呼気中水分を含む）は、帽子のみの場合に比べ、通常日傘で5.9％、遮熱日傘で 17.3％減少することが確認されました。

紫外線で加速する「老化」

日本皮膚科学会によると、紫外線は少量でも長年にわたって浴びることで、シミ・しわ・皮膚の腫瘍の原因になります。これらの「光老化」は通常の加齢による老化に、上乗せする形で、歳をとってから起こります。

同学会によると、じつは加齢による老化だけでは、シワ・たるみは発生しません。紫外線によって、皮膚の張りを保つ弾性線維が破壊され、機能しなくなるため皮膚の張りがなくなることで、しわや、たるみができます。

光老化は普通の老化とは異なる変化であり、予防も可能。しっかりと紫外線を防ぐことで、多少とも元に戻る可能性もあるということです。

日焼け止めよりも物理遮断が優先

日本皮膚科学会によると、紫外線から皮膚を守るためには、できるだけ肌に到達する紫外線を物理的に減らすことが第一です。そして「最後の砦」として、日焼け止めを塗ることが推奨されています。あくまでも長袖の服、つばの広い帽子、日傘などの物理的な遮断が大前提ということです。

おすすめは「外白中黒の晴雨兼用」

日傘を選ぶときは、降り注ぐ太陽光の熱・紫外線を防ぐだけでなく、地面からの照り返し・放熱を傘が集めてしまわない対策が必要です。そこで編集部がおすすめするのは、外側には白色もしくは遮熱・UVカット機能がついた生地、そして内側には地面からの熱・紫外線を反射しない暗色の生地が使われている日傘です。

撥水加工が施された晴雨兼用の日傘であれば、ゲリラ豪雨などへの対抗策にもなります。どうせバッグの中に折り畳み傘を忍ばせておくなら、強すぎる日差しにも雨にも対応できるものを選びましょう。

男性の９割が「男性の日傘利用」を応援！

日傘は使いたいけど、周囲の目が…と感じる方、それは杞憂です。
2024年に20〜40代の男性600名を対象にした調査では、９割以上の回答者が「男性が日傘を使用すること」について「肯定的」に感じると回答しています。

まとめ：日傘はもはや防災グッズ

埼玉県が男性職員143人を対象に実施した、通勤・勤務中・プライベートでの日傘モニター事業では、９割以上の参加者が「直射日光を遮ることができ涼しく感じた」と回答したそうです。実際に体感して初めて、日傘の効果に感動する男性が多いことが窺い知れます。

さすがに令和の夏は、日差しの強さが段違いです。これま日焼け予防のイメージが強かった日傘も、今や命を守るために欠かせない防災グッズとなりました。気候変動への適応策として、年齢や性別を問わず、積極的に日傘を利用することを強く推奨します。子どもや男性も、当たり前のように日傘をさす社会を実現していきましょう。

執筆・監修：D.Sata／SAIBOU PARK／防災士

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