Vol.150
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社会を変える防災体験!「あそび防災プロジェクト」が目指す未来
自治体や企業に向けて、チャンバラ合戦や宝探しといった体験型コンテンツを提供してきた株式会社IKUSA。「あそび」をビジネスソリューションとして提供する同社は、防災分野にも活躍の場を広げています。体験型の楽しいイベントに参加するだけで、防災への向き合い方が変わるという「あそび防災プロジェクト」。今回は同社で、あそびコンサルタントとして活躍する五十里航さんにお話を伺いました。
防災のイメージを変えたい
「あそびプロジェクト」の概要を教えてください。
ひと言で表すと「あそび×防災」。楽しい体験を通じて防災意識を浸透させたり、防災訓練への参加率を高めたりするような、体験型プログラムを展開しているのが「あそび防災プロジェクト」です。
防災訓練への参加率が低いと指摘される若い世代にとっても、楽しく学びになり、また参加したいと思えること。そんなワクワクできる防災の形を示すことで、これまでの防災に対するイメージを変えることを目指しています。
思いとニーズがマッチ
どんな経緯でスタートしたのでしょうか?
弊社は元々、町おこしや企業の催事などで行うチャンバラ合戦や運動会、謎解きなどのイベントを手掛けてきた企業です。そのイベントのお客様から「地域住民の防災訓練への参加率・意欲が低い」という課題を相談される機会があり、その解決策として「あそび」を取り入れることを提案したことが一つのきっかけです。
また以前から事業として、突き詰めれば世の中になくてもいい「あそび」だけでなく、もっと社会にとって必要不可欠なものをサービスにしたいという思いがありました。社会に役立ちたいという私たちの思いと、お客様からのニーズがマッチしたことで「あそび防災プロジェクト」が誕生しました。
楽しみながら学べる新感覚体験
ユニークなコンテンツが印象的です。
自治体・商業施設向けのコンテンツでは、親子で学べる「防災ヒーロー入団試験」が一番人気です。企業向けでは「防災運動会」が好評を博しています。
私は営業職ですが、商品開発もすれば、イベントの進行役も担当します。コンテンツの企画会議では、イベントの現場で聞いたお客様の声をクリエイティブチームと共有しながら、アイデアの種をブラッシュアップしていきます。私を含めてワンストップで稼働する人材が多い社風だからこそ、視野を広く持つことができ、ユニークな発想が生まれやすい環境なのではないでしょうか。
参加者からはどんな声が?
いちばん多く寄せられる声は「ただの遊びイベントだと思って参加したら、防災を学ぶ機会になって非常に良い体験になった」というもの。楽しみながらもハッとする気づきに繋がった、など学びの観点での評価をいただくことが多いです。
ほかには「こんなに楽しいなら今後も参加したい」ですとか「子どもが楽しんで参加しているのを見て、自分(親)自身の防災意識が高まった」など、うれしいお声をいただくことも。
あそびの持つパワー
自助だけでなく「共助」がキーワードでしょうか。
弊社が作っているコンテンツは基本的に、チームなど誰かと一緒に取り組み、交流につながるものです。だからこそ「自分で助かる、他人を助ける」という観点は弊社コンテンツの特長ですし、これこそがあそびの持っている力だと思います。
体験には、どんな効果が?
見る聞くだけでなく、体験することはイベント前の参加率・主体性、イベント終了後の記憶への定着率を格段に高めてくれます。弊社は防災以外の分野で提供している研修プログラムにおいても、体験しながら楽しく学ぶことができる点に重きを置いています。
まとめ:ひとりでも多くの命を守るために
今後の展望をお聞かせください。
このプロジェクトに参加する以前の私は防災意識が低かったのですが、同じく備えることにまだ気持ちが向いていない方々の意識をどう変えていくか、が大きな課題です。「あそび」が与えられる価値は高いと信じていますし、そこを軸にして成功している事業は珍しいと思います。世の中にないサービスをどこまで成長させられるか、非常にワクワクしています。
まだリーチできていないお客様にアプローチするために、体験型のサービスをブラッシュアップしていきたいです。より幅広い方の防災意識を高めていくために、取り組めることを模索しながら、防災分野のコンテンツを拡充していきたいと考えています。
取材・執筆:D.Sata/SAIBOU PARK MAGAZINE編集部/防災士
取材先紹介
五十里 航 株式会社IKUSA/あそびコンサルタント
WATARU ISORIあそび防災プロジェクト
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