Vol.152
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あってよかった!マンション住みのための防災備蓄ガイド
マンション特有の被害
高層階であることが多いマンションでは、低層住宅よりも揺れが大きくなることが報告されています。一般的に1階が震度6弱であれば15階は震度6強、30階なら震度7というように、上層階になるほど大きな揺れになります。強い揺れに襲われることを想定した家具・インテリアの配置を心がけましょう。
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マンションはエレベーターやエントランスのオートロックなど、共有部分の多くを電力に頼っているので、停電による生活への影響が大きいのが特徴です。また水道のくみ上げは電動ポンプで行われていることが多いため、停電が発生するとマンションの中だけが断水してしまうことも。
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マンションならではの備蓄マニュアル
食料・水は最低限でも3日分以上の備蓄が必要です。災害が起きてから3日間は人命救助が最優先され、道路状況が悪い中で救援物資の支援が届き始めるまでには最短でも3日はかかると想定されているからです。
ところがマンションは比較的、人口が密集した地域に多く建てられています。そういった地域では、すべての住民に対して十分な支援物資が行き渡る可能性は低いと考えるべきでしょう。これらの想定を鑑みると、集合住宅にお住まいの方は最低限の3日分だけでは苦しい状況になることが予想されるため、できれば1週間分の備蓄が望ましいでしょう。
エレベーターの使用は避けて
これまでに分かっている地震の性質として、ひとたび大きな地震が起こると発生後2〜3日程度は続けて規模の大きな地震が発生することが多くあります。さらに1週間程度は、最初の大地震の規模と同程度の地震に注意することが基本。いずれの期間も、最初の地震よりも大きな揺れが起こる可能性がある点が脅威です。
もし発災直後にエレベーターが動いていたとしても、避難のために使用するのは非常に危険。また大きな揺れがきて、閉じ込められてしまう可能性が高いからです。
地震で止まったエレベーターも、安全確認が取られれば運転を再開します。ですが地震の特性を踏まえて、当面の間はエレベーターを使用することに大きなリスクが伴うことを認識しておきましょう(できる限り使用を避けるのがベター)。
閉じ込められても冷静に
もしもエレベーターに乗っているときに緊急地震速報を受信したり揺れを感じたら、近くの階すべてのボタンを押し、開いた階で降ります。
もしも閉じ込められてしまったら、インターホン・非常ボタンを押して、管理センターへ通報しましょう。扉をこじ開けようとしたり、アクション映画のように天井を押し上げてみるなど、無理な脱出をしようとするのは大変危険です。落ち着いて外部と連絡を取り合い、救助を待ちましょう。
トイレは流さないで
断水が起きていたり、水道管がダメージを受けるような災害が起きた場合は、すべてのトイレが使用できません。汲みおいた水で、無理やりトイレを流すのはNG。自宅のトイレが無事そうに見えても、流した先で配管が破損していて逆流したり、集合住宅では下階の部屋から汚水が溢れてしまうことがあるからです。
送電線の断線や計画停電のように「電気が止まっただけ」であれば、トイレを使用することができます。一般的な水洗トイレは、水を流すことに電力を使っていないからです。
ただし、近ごろ人気のタンクレストイレ(直結した水道水を流すタイプの、貯水タンクを併設していないトイレ)は注意が必要です。このタイプのトイレは、排水のために電磁弁を使っているので、停電すると水が流せません。とはいえ各メーカーは、停電時でも排水するためのレバー等を便器の裏側に設置しているので、ご自宅のトイレの停電時の使い方を平時に一度チェックしておきましょう。
携帯トイレの備蓄は十分に
以上の理由から、集合住宅では防災グッズとして災害用の携帯トイレを備蓄しましょう。これは水を使わずに用を足したあとの処理ができるもので、ご自宅のお手洗い(便器)をそのまま使用することができるのが魅力です。
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まとめ:集合住宅用の備えを意識して
マンションが乱立するような地域では、避難所が満員になる・救援物資が潤沢に行き渡らないなど、人口の多さに由来した災害時の不便が想定されます。一方では、人が多いからこそ助け合えるのは人口密集地ならではの利点です。
管理組合・自治会・町会等が実施する防災活動には、積極的に参加しておくと安心です。災害時の協力や助け合いは、日頃からの活動があってこそ成果をあげられます。定期的な防災訓練に参加するなどして、地域との繋がりを大切にしましょう。
執筆・監修:D.Sata/SAIBOU PARK/防災士
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