Vol.154
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かんたん診断!あなたの家は大丈夫? 地震に負けない「耐震基準」を調べる方法
命を守る「建築基準法」
日本で建物を建てるときには、「建築基準法」という、守らなくてはいけない最低限の基準が規定されています。これは国民同士がお互いの生命・健康・財産を守るために1950年に作られた法律です。度重なる災害のたびに見直しを重ねられてきました。
1978年の宮城県沖地震を受け、1981年6月1日には建築基準法が根本的に見直されて改正。震度6強から震度7の揺れでも建物が倒壊せず、最低でも「人の命が守られる」ように、建物の設計や構造を強く建設することが義務付けられました。
あなたの家は新耐震基準?
1995年の阪神・淡路大震災では、犠牲になった方の死因のうち、8割以上を占めていたのは住宅などの倒壊による圧死・窒息死でした。そして震災後の調査で、倒壊した木造家屋の98%は旧耐震基準で建てられていたことがわかったのです。
このデータが証明したように、建物が新旧どちらの耐震基準で建てられたかは、被災時の明暗を分ける重要なポイントです。ご自宅の耐震基準が新旧どちらかを判断するために、一番かんたんな方法は「家が建てられたのは西暦何年か」を知ることです。建築基準法が改正されたのが1981年6月1日なので、それ以降に建てられた建物であれば、新耐震基準を満たしているといえます。
境界線は1981年
建築基準法の改正前後に建てられた建物の場合は、改めて耐震基準の新旧を確認しましょう。耐震基準の新旧は、建物の竣工(完成)日や表示登記日だけ判断せず、「建築確認申請がいつ行われたか?」で判断すると、より確実です。
建築確認というのは、建物をつくるときの事前準備として「これこれこういう建物を建築しますよ」という申請を役所に提出する手続きのこと。つまり、1981年6月1日に建物が完成していたとしても、建築確認申請の日付が1981年6月1日より前となれば、この建物は旧耐震基準の建物ということになります。
一方で、建築基準法はあくまでも「最低限の基準」を規定しているものなので、法改定以前に建てられた建物であっても、実質的には新耐震基準を満たしている場合があります。改めて専門家による耐震診断を受けることで、耐震基準適合証明書を発行してもらうことも可能です。
まとめ:油断せず、万全の地震対策を
もしもご自宅が旧耐震基準で建てられていた場合は、すぐに耐震化を検討しましょう(自治体からの補助金が出る場合もあります)。また新耐震基準で建てられていたとしても、油断はできません。
2016年の熊本地震では、新耐震基準で建てられたにも関わらず、倒壊した家屋が多数発生しました。震度7の激しい揺れが2度も襲いかかったことなど、背景には複雑な要因があるとされているものの、今後また建築基準法が改正される可能性は大いにあり得ます。
いずれにしても、大きな地震に襲われれば、部屋の中が激しく揺れることに変わりはありません。大型家具を固定し、もしも倒れたとしても避難経路を塞がないような配置にしたり、同じく避難経路を塞がないようガラスなどの割れ物の配置に気を付けるなどの工夫を徹底しましょう。
執筆・監修:D.Sata/SAIBOU PARK/防災士
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出典
内閣府/特集 なぜ、住宅の耐震化が進まないのか?
http://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h21/03/special_01.html
神戸新聞NEXT/旧耐震住宅が危ない(2)98・1% 仲間の死が調査へ動かす
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/sinsai/20/rensai/201409/0007291639.shtml
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